その肩こりは、肩コリじゃない

  • 肩こり
  • 胸郭出口症候群

謎めいたタイトルとなっています。はたして、その意味は・・・?

<肩こりが、肩コリじゃない?>
―いきなりですが、肩こりが肩コリじゃないってどういうことですか!?
いきなり核心から入りましたね。いいでしょう、ズバリ答えます。あなたの肩こりの原因は肩ではないかもしれない、ということです。
―??? いったいどういうことでしょうか?
肩こりのとき、どうしますか。
―そうですね、揉んだり、押したり、叩いたり。
そうされて、どうでしょうかね。
―うーん、一時的には楽になった気にはなりますが、なかなかよくならないです。
そうなのです。肩こりというやつは、肩を揉んでも押しても叩いても、根治しないことがよくあるのです。
―なぜ治らないのでしょうか?
肩こりの原因といわれて、必ず名前が挙がるのが、肩の筋肉、僧帽筋です。ちょうど肩こりで押されたら痛くなる、みなさんがよくいう「肩こりのつぼ」のところの筋肉です。
―聞いたことがあります。よく聞きますよね。
その僧帽筋を揉んだり押したり叩くことをよくやりますが、一時的には楽になっても根本改善しないことが多いのです。
なぜそうなるかというと、僧帽筋が肩こりの原因ではないからです。
―ええっ、じゃあその場合の肩こりは肩が原因ではないってことですか?
そうです。だから、「その肩こりは、肩コリじゃない」のです。
―ではいったい何が原因なのでしょうか?
まず考えられる原因は、「首こり」です。以前のコラム(こちら)でもお話ししましたよね。首こりが原因で様々な症状が出ることがありますが、肩こりもそのひとつです。
―首が原因かどうか判別する方法はありますか。
まずリラックスした状態で首を後ろに倒します。次に、肩を上にあげた状態で首をゆっくり後ろに倒します。もしリラックスした状態のときより痛みが増したり、腕に響くような感じがあれば、首が原因の肩こりの可能性が考えられます。
―そういった場合はどういう施術をされるのでしょうか。
カイロプラクティックが最も得意とする状態のひとつですね。
おそらくこの状態であれば首を回したり倒したりすると痛みや動きづらさを感じることが多いでしょうから、カイロプラクティックで首の動きをつける施術をすれば軽減する可能性は高いでしょう。

<もうひとつの「肩こりじゃない肩コリ」>
―他に「肩こりじゃない肩コリ」はどんなものがありますか?
それは「胸郭出口症候群」というものです。腕に向かう神経と血管は束になっているのですが、それが挟み込まれてしまうのです。
―その胸郭出口症候群は肩こりの他にどのような症状がありますか?
肩や首の痛みの他に、手や腕のしびれや冷えが出てくることがあります。「片手は冷たいのに、反対側の手はそんなことはない」というような場合は疑われますね。

―対処方法はどうするのでしょうか。
胸郭出口症候群は、首の斜角筋という筋肉か胸の小胸筋という筋肉が緊張して挟み込まれている場合が多いので、それを検査で判別して筋肉の緊張を和らげる施術をします。
―どのくらいの施術で改善が期待できますか。
斜角筋も小胸筋も少し奥にある筋肉なので、実はなかなかすぐにほぐれてくれません。ストレッチも非常に難しい場所なのです。ですから胸郭出口症候群に関しては一度でパンと改善するのは難しく、数回来ていただく必要はあるかと思います。
胸郭出口症候群はただ首や肩を揉んだだけでは改善を期待するのは難しく、腕や手がしびれたり冷たくなるからといってそこを揉んでも施術しても原因はそこではないので全く無意味です。きちんと原因を見極められるところで適切な施術を受けて頂きたいと思います。
なるほど、胸郭出口症候群は肩だけ施術しても意味がないのですね。ありがとうございました。