頭痛には立川カイロなのだ「2」

  • めまい
  • 偏頭痛
  • 頭痛

前回より引き続き頭痛についてのお話しをします。

 

<あなたの頭痛は首疲労?>

―なんでも前回のコラムが好評だったそうで。
そうなのです、反響がずいぶんとありまして、「もうちょっと知りたい」というお声がありましたので今回も頭痛をお題にすることにしました。
―頭痛に悩んでいる人は多いのですが、カイロプラクティックが頭痛にいいっていうのを知りませんでした。
そういう声が多くて、逆にこちらが驚きました。私たちは、そんなの常識だろうと思い込んでいましたからね。中にいると返って気がつかないことがありますね。
―実際に、カイロプラクティックはどうなのでしょうか。
2010年にイギリスのノースウェスタン大学とウェスタンステイト大学が発表したカイロプラクティックについてのレポートによると、脊柱マニピュレーション療法(註:カイロプラクティックのこと)の効果が確立していると認められるのは次の症状であると報告しています。

・急性および慢性腰痛
・急性および慢性の頸部痛
・偏頭痛
・頚椎原性頭痛
・頚椎原性めまい
・いくつかの四肢関節障害

頭痛と頸部痛、つまり首の痛みや障害に対して広くエビデンスがあると確認しているのが特長ですね。
―エビデンスってなんでしょうか。
失礼。エビデンスは「根拠」という意味です。医学界で「エビデンスがある」という場合、「根拠に基づいている」ということを指します。荒唐無稽なことを言いだしているわけではないですよ、ということです。
―前回は首の疲労が原因で様々な症状が出るというお話しでした。
私がごちゃごちゃいうより、お医者さんの言葉の方が説得力があるでしょう。頭痛の専門医では、いわゆる首のこりと頭痛に相関関係があることを認める方が非常に多いですね。また脳神経外科医の松井孝嘉先生によると、以下の症状は首の疲労をとることによってよくなることが期待できるそうです。

①  頭痛
②  めまい
③  自律神経失調症
④  うつ状態
⑤  パニック障害
⑥  むちうち
⑦  更年期障害
⑧  慢性疲労症候群
⑨  ドライアイ
⑩  多汗症
⑪  機能性胃腸症
⑫  過敏性腸症候群
⑬  機能性食道嚥下障害
⑭  血圧不安定症
⑮  VDT(ディスプレイ)症候群
⑯  ドライマウス

これらの症状をお持ちで、首に痛みやこりがある方は、その疲労をとることで症状の改善が期待できます。

<後頭神経痛について>
―頭痛といってもいろいろな症状がある、と前回の話題になりましたが。
はい。今回は後頭神経痛を取り上げます。ある意味、なぜ頭痛にカイロプラクティックがエビデンスがあると認められるのかが分かりやすいところだと思います。
こちらの写真をご覧ください。青く丸をしてあるところが大後頭神経と呼ばれるものです。この神経は、後頭部に広く分布しています。
この神経、よく見ると筋肉の間を縫うようにして通っていますよね。
―本当だ。周囲の赤いのが筋肉ですね。筋肉に取り囲まれていますね。
この周囲の筋肉が緊張すると、大後頭神経が締め付けられます。それで後頭部が痛く感じるのですね。ここは首の根っこのところですから、悪いのはここなのですが、痛みとしては後頭部に感じるのです。
―どうしてここが緊張するのですか?
それはね、こういう姿勢をとったときです。
―ああっ!パソコン見てるときめっちゃこんな姿勢です!すごい猫背だし!てか、パソコンに向かって仕事しているときってだいたいこんな感じじゃないですか。それでパソコンで仕事をしている人に頭痛や肩こりが多いのですね。目の使い過ぎかと思っていました。
もちろんパソコンディスプレイを長時間見つめるのは眼精疲労になりますが、姿勢も影響しています。
―この状態だと、どんな症状になってしまうのでしょうか?
これが原因で起こる三大症状と呼ばれるのが、

・緊張性頭痛
・めまい
・自律神経失調症

です。
―やっぱりここにも頭痛が出てくるのですね。
そうですね。首の緊張や痛みやこりの話しになると、必ず頭痛は出てきますね。
―具体的にはどのような施術をするのですか?
やはりなんといっても緊張しているこの周辺筋肉の緊張を緩めることですね。また先ほどの姿勢で分かるように、後頭骨(後頭部の骨)と首の間がひっついてるように硬くなっていますから、その硬さをとる施術をします。
また脊柱(背骨)は連結していますから、上部(首)の歪みは下部(腰)へも影響を及ぼすのですが、これについてコメントしますと話しの際限がなくなるので、また機会を改めたいと思います。ただ、首だけを施術するのでは効果は不十分であるということだけはお伝えしようと思います。
首は寝ているとき以外はずっと働かされているので、なかなか疲労がとれません。けん引療法などもありますが、細やかな操作ができる手技療法が一番ではないかなと個人的には思っています。
―なるほど。今回もありがとうございました。

(参考文献:「首こりは万病のもと」松井孝嘉著・幻冬舎新書、Effectiveness of manual therapies :the UK evidence report)