姿勢の種類① < 胸椎過剰後弯型姿勢 >(Hyper-Kyphotic Posture)

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背中上部の曲線が顕著なパターンです。

頸椎の状態:
– 頭が前に突き出た姿勢: 頭が前に突き出ているため、頸椎にかかる負担が増大します。
頸椎の過伸展: 視線を水平に保つために、首の上部が過度に伸展します。

胸椎の状態:
過度な後弯: 背中の上部が顕著に丸くなり、猫背の外観になります。

腰椎の状態:
前弯の減少: 自然な内側への湾曲が補償として減少する場合があります。

骨盤の状態:
骨盤後傾: 過度な後弯姿勢では、骨盤が後方に傾くことがよくあります。この傾きにより、腰の自然なカーブ (腰椎前弯) が小さくなり、平らな外観につながります。
腰椎サポートの低下: 後方傾斜により、腰部の安定性が低下し、腰の不快感につながる可能性があります。

膝の状態:
膝の過伸展: 骨盤の後傾と上半身の前屈を補うために、膝を後方にロックすることがあります。この過伸展により、膝関節と靭帯に余分なストレスがかかります。

足首の状態:
背屈: 足首は、上記の変化によりバランスを保つためにわずかに背屈 (つま先が上を向く) する場合があります。
体重配分の変化: かかとにかかる体重が増える可能性があり、歩行に影響し、かかとに不快感が生じる可能性があります。

Upper Crossed syndrome(UCS): 非常に重要な要因

筋肉の緊張:
大胸筋と小胸筋: 胸の筋肉が緊張し、肩が前に引っ張られます。
僧帽筋上部と肩甲挙筋: 首と肩の筋肉が過剰に活動します。
後頭下筋群: 頭が前に出ているために緊張します。

筋肉の弱さ:
菱形筋と僧帽筋中部/下部: 肩甲骨牽引筋が弱まり、丸い肩になります。
深頸屈筋: 弱まり、頭の重さを支えられなくなります。
胸椎伸筋: 過度の前方湾曲に対抗できなくなります。

痛みや関連症状を引き起こしやすい部位:

首 (頸椎):
痛みと硬直: 頭を前に突き出した姿勢は、首の筋肉と靭帯に負担をかけます。
緊張性頭痛: 首の上部の筋肉が緊張すると、頭痛を引き起こすことがあります。

背中上部 (胸椎):
背中中央の痛み: 過度の湾曲は、胸椎に圧力をかけます。
筋肉疲労: 過度に伸びた背中の筋肉は疲れやすく、不快感を引き起こします。

肩:
肩の痛み: 丸まった肩は、インピンジメントや回旋筋腱板の問題につながる可能性があります。
可動性の制限: 胸筋が硬くなるため、腕を頭上に上げるのが困難です。

胸と肋骨:
呼吸制限: 胸の拡張が減少すると、息切れが生じる可能性があります。
肋間筋の緊張: 肋骨間の筋肉に過度のストレスがかかる場合があります。

顎 (顎関節):
TMJ 障害: 頭を前に突き出す姿勢により、顎の位置がずれ、痛みが生じる可能性があります。

一般的な症状:
しびれまたはチクチクする感覚: 神経の圧迫により、腕や手に感覚が生じることがあります
バランスの悪さ: 重心の変化により、安定性が損なわれます。

よくある原因:
長時間の悪い姿勢: 座っているときや立っているときに習慣的に猫背になっていること。多くの場合、画面を見る時間が長すぎるか、不適切な人間工学が原因となっています。
筋肉のアンバランス: 背中の上部の筋肉 (菱形筋と中部僧帽筋) が弱く、胸の筋肉 (大胸筋と小胸筋) が緊張しているため、肩が前に引っ張られます。